
スリッパや釣り竿などの日用品を利用して大きなパネルに絵を描くイベント「カラーハンター発明所」を開催しました。

講師とのコミュニケーションで、出来上がったワークショップイベント
具体美術に関心を受け、運動としての"絵”や行為の結果としての"絵”を作る機会を作れないかと考えていた企画者の沖。偶然、子どもの創造的活動を支援するKIITOでのイベント開催が決まったことで、そのアイデアを下地として、企画を立ち上げていくことが決まりました。
講師を依頼したアーティスト・田岡和也さんとミーティングを重ね、新しい絵の描き方をどのように表現するかを決定していきました。ステンシルアートや切り絵など様々なアイデアが出る中、田岡さんから「釣り竿で絵を描く」という発言が。そこから、日用品や生活用品を使って絵を描くという方向へ具体的に話が進んでいきました。

二回目に田岡さんにお会いしたのは、会場の視察日。子ども向けのイベントとして、どのように設計していくかが課題になっていました。日用品や生活品で絵を書いてもらって、そこで何をお土産として持ち帰ってもらうか、どのような終着点にするか、プロモーションにどんなワードをもっていくか、さまざまな課題がありました。
その中で出たワードが「武器」というものです。武器の魅力とは端的に言うと、”見た目の仕組みのかっこよさ”と”技や攻撃力などのスペックの魅力”の2点があげられます。
それを今回のイベントの目的や意義に置き換えると、生活用品や日用品で新しい見た目や機能を持つ画材を発明する。=見た目への関心”と、"新しい画材によって様々な表現が可能になる=対象のもつスペックや機能への関心”が重なります。

この「武器」というワードによって、イベント内容を充実させなくてはならないという課題とプロモーションでの課題をクリアできるという確信が生まれました。
こうして、カラーハンター発明所にてぬりかべを倒すべくオリジナルの武器を作るという企画が完成しました。

子どもたちの想像力によって生み出された、様々な武器。
当日は会場に集った参加者の子どもたちは、靴やベルト、タオルや鞄など、普段画材として使うことのない生活用品を前に、困惑の表情を浮かべていました。
しかし、先端に粘着カーペットクリーナー(通称・コロコロ)をつけたヘルメットを頭につけた田岡さんが、スケートボードで移動しながらキャンバスに絵を塗っていくパフォーマンスを見せると、大盛り上がり。子ども達も後に続いて気兼ねなく絵を描きはじめました。
事前に用意していた「はつめいシート」も利用される時間もないほど盛りあがり、上から下までキャンバスが塗りたくられ、味のある作品に仕上がりました。



スタッフ一同、参加した子供達には、絵を描く方法はさまざまなやり方がある、という発見の機会になればよいなと考えています。